小田急キハ5000形は、小田急小田原線と国鉄御殿場線の直通運転用として1955年に登場しました。
基本的な設計要旨は国鉄のキハ45000形(キハ17形)・キハ44600形(キハ50形)に準ずるものですが、御殿場線の25パーミル区間での走行に備えた主機の出力増強・ブレーキ装置の改良などが行われました。
車体は車体長20,000mm・全長20,560mmの全金属製車体で、前面は小田急2100形よりも正面が丸みを帯びた貫通扉付のスタイルとなりました。
タブレット閉塞式であった御殿場線を通行することから、乗務員室運転席側次位の側窓と乗降扉の窓にタブレット防護柵が設置されているのが特徴的です。
主要機器は国鉄の仕様に合わせてものが多く、エンジンはDMH17B1が搭載されましたが、台車は国鉄気動車の標準とは異なり、ウィングバネ式・オイルダンパ装備の1軸駆動台車(TS-104形)が採用されました。
キハ5000形のシートピッチは、座席定員数を確保するために1,320mmに設定されましたが、このサイズは優等列車としては狭く、評判は良くありませんでした。
そのため、1956年以降の増備車(キハ5100形)ではシートピッチ拡大(1,520mm)が図られ、その後キハ5000形もこれに合わせた改造が実施されたため、窓と座席が合わなくなっていました。
塗装は当時の小田急の特急色(腰部と上部が青・窓周りが黄色)でしたが、1959年以降はクリーム色に朱色の帯が入るものに変更されました。
1968年7月には御殿場線が電化され、直通列車はSE車を5両連接車に改造して運用されることとなり、キハ5000形は増備車のキハ5100形とともに廃車となり、関東鉄道に譲渡されました。
鉄道コレクションでは、事業者限定品として発売された、キハ5001+キハ5002の2両編成を所有しています。
↑ キハ5001
↑ キハ5002
↑ キハ5001 前面の様子
↑ キハ5001 側面の様子 その1
↑ キハ5001 側面の様子 その2
↑ キハ5001 側面の様子 その3
↑ キハ5002 側面の様子 その1
↑ キハ5002 側面の様子 その2
↑ キハ5002 側面の様子 その3
↑ 台車の様子
↑ キハ5002 運転台付近の様子