飯田線で活躍した、クモハ52+モハ48の4連、旧型電車の中でも異色の流線型車体で特に人気のあった車両ですが、元は京阪神間の急行用として1936年に登場した、モハ52系グループです。
モハ52系グループのうち、初期車となる流線型の編成は、1936年~1937年の間にモハ52+サハ48+サロハ46+モハ52の4両×3本が製造されていますが、京阪神で使用された後、戦後の混乱中、阪和線などでも使用されましたが、このうち5両のモハ52と3両のサハ48(サロハ46からの編入車)が1957年に飯田線に転入し、1978年ごろまで活躍しました。
飯田線に転入したモハ52編成は、1959年の称号改正で、モハ52はクモハ52と改称しています。
飯田線では豊橋機関に配属、混結の通常のとなっている旧型国電の中では珍しく4両固定編成で運用され、1968年以降、身延線と共通のスカ色に変更された以降は、豊橋~水窪間の南部区間で活躍していました。
鉄道コレクションでは数種類が製品化されていますが、そのうち1次形/スカ色編成を所有しています。
これは飯田線での晩年の姿を再現したもので、中間車では32系サハ48を組み込み、4両編成としています。
以下、1両毎に解説。
↑ クモハ52001
1969年3月に飯田線入線以降3度目となる塗装変更が行われ、一般車と共通のスカ色になりました。かつての区間快速用を引き継いだ4両固定編成に使用されました。実際には52004と組んで運用されたようです。
↑ サハ48021
サハ48はモハ32型車両に属し、1930年から1931年にかけて横須賀線向け中間車と製造されました。
このうち48021は48024とともに1961年までに豊橋電車区に転属し、クモハ52などと組んで運用されていました。
↑ サハ48024
サハ48024は、48021とともに晩年は飯田線で使用され、一時は飯田線快速色だったこともありましたが、その後スカ色に変更されました。
48021・48024とも、1978年から1980年にかけて80系に置き換えられる形で廃車となりました。
↑ クモハ52002
1970年にスカ色で塗装変更されました。
52001とともに、定格出力128kWの主電動機を持ちました。
台車はDT12Aにコロ軸受を装備したものですが、前位の台車は軸箱守が1個だけでDT13のものを装着していました。
↑ クモハ52001 前面の様子
↑ クモハ52001 側面の様子 その1
↑ クモハ52001 側面の様子 その2
↑ クモハ52001 側面の様子 その3
↑ サハ48021 側面の様子 その1
↑ サハ48021 側面の様子 その2
↑ サハ48021 側面の様子 その3
↑ サハ48024 側面の様子 その1
↑ サハ48024 側面の様子 その2
↑ サハ48024 側面の様子 その3
↑ クモハ52002 側面の様子 その1
↑ クモハ52002 側面の様子 その2
↑ クモハ52002 側面の様子 その3
↑ パンタグラフの様子
↑ 台車の様子
↑ クモハ52002 運転台付近の様子