余剰の荷物電車などからの改造
クモハ123系は、1986年ダイヤ改正以降、鉄道手荷物や郵便輸送の廃止で余剰となった単行式の荷物電車などを旅客用に改造した直流型近郊電車で、1986年から1988年にかけて各地に導入されました。
国鉄時代に11両が導入された他、JR東海も2両を改造により導入し、計13両となりました。
【特徴】
・新性能電車初の単行の旅客輸送車両。
・各車両により車体外観・扉位置などの仕様が異なる。
種車や改造手法などによる、車体・塗装・仕様の違い
鉄道コレクションでは、第20弾で4種類が製品化された以降、オープンパッケージなどでも多数の製品が発売され、そのうち管理者が所有する5両(そのうち2両は同じクモハ123-1)を比較しただけでも、その車体・塗装・仕様の違いなどが明確で非常に興味深いです。
ちなみに、クモハ123-1・3・5はクモニ143からの改造ですが、クモハ123-45はクモユニ147からの改造です。
前面
他の4両は非貫通ですが、クモハ123-5のみ(写真では左)が貫通型です。
導入当初運用されていた阪和線羽衣支線は当初は2両編成で運用されたり、その後はクハ103やサハ103を併結する運用をしていたので、貫通扉は必須だったと思われます。
なお、可部線用のクモハ123-3は、模型は導入当初の仕様で非貫通ですが、1993年に貫通扉が設置されているそうです。
側面
所有車を比較した中で、一番違いがはっきりしているのが側面、特に側窓です。
↑ 国鉄/JR東日本のクモハ123-1の側面は、674mmの小さいユニット窓がたくさん並んでいて非常に個性的です。
↑ 可部線のクモハ123-3は、横長の大型窓で上部分の3分の1が開く構造で、側面に5つ並んでいます。
↑ 身延線用のクモハ123-45の側面窓は、119系に準じた上段上昇・下段上昇式のユニッヨ窓で、側面に7個並んでいます。
戸袋窓はありません。
↑ 一番個性的なのが阪和線のクモハ123-5で、左右非対称な側面の構造はいかにも改造車的な感じです。
側面窓は、201系と類似した上段下降・下段上昇の2段式ユニット窓です。
↑ クモハ123-5側面の反対側です。1,300mm幅の両開き扉はラッシュ時対策として設けられたものですが、種車の荷物用扉の位置を踏襲したので、見た目が不自然にな感じになっています。
パンタグラフ
↑ クモハ123-1のみ、パンタグラフが2基搭載されていますが、おそらく霜取り用かと思われます。
なお、実車のパンタグラフは、クモハ123-1・45のパンタグラフは狭小トンネルに対応したPS23A、他のクモハ123-3・5は一般的なPS16Jが搭載されています。
屋根上(冷房装置)
↑ 模型では、クモハ123-1(国鉄)とクモハ123-45が非冷房となっていますが、うちクモハ123-45は1989年から1990年にかけて冷房化工事が行われています。
↑ クモハ123-5は改造当初から集中式冷房装置(AU75E形)が搭載されています。
↑ クモハ123-1は、1993年にAU712形集約分散式冷房装置が2基搭載されました。
冷房電源となる補助電源装置も屋根上に搭載されています。