品番:3070-2
EF56は、国鉄の前身である鉄道省がEF53をベースとして1937年に導入した旅客用電気機関車で、1937年と1940年に計12両が製造されました。
新製当初より東海道本線の優等列車牽引で使用され、戦後しばらくもEF57やEF58とともに同線の普通列車牽引などで運用されていましたが、1958年以降は沼津区から宇都宮区に転属し、東北本線で運用されました。
Nゲージでは、KATOから製品化された一次形(2023年再生産ロット)を購入しました。
暖房用の蒸気発生装置(SG)を搭載した旅客用電機
従来の旅客用電気機関車は、蒸気機関車のように暖房用の蒸気を客車側に供給できないことから、冬季の旅客列車では蒸気ボイラーを備えた暖房車(重量40t程度)を機関車の次位に連結していたことから、牽引する重量の増加や運用効率面などで問題となっていました。
EF56ではこの暖房用ボイラーを機関車自体に搭載したため、冬季の暖房車の連結が不要となりました。
パンタを中央に寄せた独特な屋根上の構造
新たにボイラ・水タンク・油タンクなどを搭載するスペース確保のため、従来の機関車で設けていた抵抗器室を潰して高圧室の天井に配置、そのため屋根上のパンタグラフは中央寄りに寄せ、これらを搭載した第2エンド側にはY字煙突タイプの排気設備がついています。
美しい車体の丸みを帯びたデザインなど
EF56のうち、1937年に製造された1次形は、車体が丸みを帯びたデザインでとても美しい(個人的な感想ですが・・・)です。
1940年に増備された2次車では、角ばったデザインに変更されているので、1次形とはまた違った印象になります。
なお、KATOの製品では、先台車の車輪がスポークの抜けたタイプで再現されてカッコイイのですが、2次車の先台車では外側軸受け方式に変更されています。
ナンバープレートの選択を間違えてしまった!
車番は「3号機」を選択しましたが、これが間違いでした。
後で調べて分かったことですが、側面のファンは2・3号機は4機・6・7号機は6機なので、KATOの製品は6・7あたりがプロトタイプです。
ナンバープレートは少量の接着剤で固定してしまい今更変更できませんので、皆さん温かく見守ってください。
EF56の運用
新製当初より東海道本線の優等列車牽引で使用され、戦後しばらくもEF57やEF58とともに同線の普通列車牽引などで運用されていましたが、1958年以降は沼津区から宇都宮区に転属し、東北本線で運用されました。
1961年以降は同様に転入したEF57と共通運用となりましたが、その後EF57に施行された電気暖房装置への取り換え(SG→EG)工事がEF56は対象外となったため、EF57の工事完了後は荷物列車の牽引を中心に運用されていました。
1969年以降は5両が「瀬野八」補機用のEF59に改造・転用されましたが、残りの機関車は1978年に全車引退となるまで、東北本線で活躍していました。
↑ 側面全体の様子。パンタグラグが中央側も寄せられた外観が独特。
↑ 前面の様子。デッキ付きの機関車はかっこいいです。
カプラーは、KATOナックルカプラーを搭載。
レイアウト走行時、TOMIXポイント通過時に開放ピンが引っかかり脱線するリスクを考慮して、マグネティックナックルカプラーは採用しませんでした。
スポークの抜けた先台車の車輪もかっこいい。
↑ 側面の様子 その1
↑ 側面の様子 その2
↑ 側面の様子 その3
↑ 2CーC2配置のため、台車は3軸です。(EF57と同じ)
↑ 車体の丸みを帯びたデザインが美しい。
↑ 信号炎管・避雷器・ホイッスルなどが別パーツ表現。
↑ 第2エンド側にはY字煙突タイプのSG排気設備が設置されています。
↑ パンタグラフは中央に寄せられ、高圧引込線・SG安全弁が金属で表現されています。
↑ パンタグラフはPS14が搭載。集電舟と台座部分の黒が、車体の茶色とマッチしています。
↑ 第1エンド側の上部分の様子。
↑ 第1エンド側 運転席付近の様子。
↑ デッキ付近の様子。
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